当社(アントム株式会社)では事業活動における一環として、設備の小型化による省エネの実現に積極的な取り組みをしております。
リフロー炉や加熱炉は熱を使用する設備であるため一般的な設備と比べても消費電力が高いです。
また、はんだの鉛フリー化により窒素の供給が一般化されたことで、窒素使用によるランニングコストの負担増に頭を悩ませている現場も少なくありません。
そこで当社が提供するリフロー炉や加熱炉は徹底した小型化を図ることで、立ち上げ時消費電力の抑制や窒素使用量の大幅削減といった省エネの実現を企業として取り組むべきテーマとして掲げております。
窒素使用量においては、炉内酸素濃度200ppmを実現するために必要な窒素流量を150L/min以下にまで抑えることができます。
継続的な窒素使用量は毎月のランニングコストにも大きく影響するため、設備で使用する窒素流量を抑えることにより省エネによる環境面への配慮だけでなく、工場におけるコストダウンにも大きく貢献することが可能です。
当社のリフロー炉や加熱炉は最大で350℃まで設定することができる機種もあり、一般的なリフロー炉や加熱炉と比べても設定温度の上限が高い傾向にあります。
そのため設備の外板温度が高なってしまうことを抑制するため、全ゾーンを350℃設定にした場合でも外板温度が50℃以下に収まるように断熱構造を強化しました。
上記のサーモグラフデータは当社のラインナップの中で最も設定温度が高い(350℃設定)機種のUNI-6116Sにおいて、全ゾーンを350℃設定した際に測定したデータです。
全ゾーンを350℃設定にした状態でも外板温度を50℃以下に抑えることができるため、作業者や工場内の空調環境に負担を与えることなく設備を使用することができます。
一般的にリフロー炉や加熱炉において機種切り替え(温度変更)をする場合、高い温度から低い温度に変更するときに時間が掛かってしまうことが多いです。
中には少しでも早く温度を下げようとする目的でリフロー炉や加熱炉のフードを全開にして強制的に温度を下げようとするといった例も耳にしました。
しかしリフロー炉や加熱炉が稼働している状態でフードを開放することは、やけど等の危険は当然のこと、熱風が一気に炉内に送り込まれることにより設備の電気部品等に大きな負担を与えてしまい、最悪の場合には設備が故障してしまう恐れもあります。
当社の小型リフロー炉や加熱炉であれば、機種切り替え(温度変更)時の時間を大幅に短縮できるように工夫された加熱構造を採用しているため、上記に挙げたリスクを冒すことなく短時間で目的の温度設定に到達することが可能です。
下記の設定温度は参考として鉛フリープロファイルの温度設定から、わかりやすく全ゾーン150℃均一に温度を下げた場合の実際に掛かった時間を測定したものになります。
この測定に使用した機種はSOL-8130という当社のラインナップの中で最も全長が長くゾーン数が多い機種となるため、これよりも小型の機種になれば、さらに機種切り替え(温度変更)の時間が短縮されることが期待できます。
これにより余計な電力使用時間を削減できるので効率的に生産を行うことが可能です。
SOL-8130の詳細情報はこちらからご覧ください。
モデル名 | 装置全長 | ゾーン数 | 基板有効幅 |
---|---|---|---|
SOL-8130N | 3,985mm | 加熱8(1) | 50~300mm |
※モデル名をクリックすると詳細ページに移動します。
※ゾーン数の( )は冷却ゾーン数です。
使用電力(消費電力)が大きくなればなるほど、二酸化炭素(CO2)の排出量も大きくなります。
生産設備の中でもとくに消費電力が大きいリフロー炉や加熱炉の電力消費量を抑えることは、脱炭素化(カーボンニュートラル)の実現にも貢献できるため、小型リフロー炉や小型加熱炉のパイオニア企業である当社の使命といっても過言ではありません。
当社はリフロー炉や加熱炉の小型化をこれまで以上に推進していくことで、消費電力削減による省エネ設備を開発・提供することにより、脱炭素化実現に貢献することを目指します。
2023年4月10日、アントム株式会社は横浜市が創設した横浜市SDGs認証制度である「Y-SDGs」の活動に賛同し、その取り組みが認められ、標準(Standard)として認証されました。
今後も当社は企業活動を通じて、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に取り組んでまいります。